『ロッジ -白い惨劇-』

ヴェロニカ・フランツ、セヴリン・フィアラ監督『ロッジ -白い惨劇-』(2020)

『グッドナイト・マミー』の監督コンビによる新作。

日本劇場未公開。

室内でグループショットを撮る際に広角レンズを多用している。壁や天井に囲まれた印象が強くなり、息苦しさがます。人物をポツンと小さくなる。意図的に画面中央ではなく、画面下部に配置している。淋しさが強調される。壁に飾られたマリアの絵視点のようにも感じた。

平常心をじわじわと蝕む語り口。ただならな緊迫感が漂う。

義母と兄妹がロッジに閉じ込めらる。実母は夫の不倫に絶望して、自殺。義母はかつてカルト宗教に所属し、集団自殺の生き残りであり、父の取材相手だった。不穏な関係性の3人が最悪な状況に置かれる。

中盤の仕掛けも面白かった。そしてその仕掛けによってさらに酷い事態が引き起こされる展開も面白い。

口を塞ぐ「SIN(罪)」と書かれた銀色のテープが印象に残る。

ドールハウスや精神を病んだ母、邪教というキーワードが『ヘレディタリー』ともリンクする。