『ハロウィン KILLS』『イカゲーム』E6
デヴィッド・ゴードン・グリーン監督『ハロウィン KILLS』(2021)
試写を観た知人からつまらないと聞いて、ハードルを下げていたせいか、とても楽しかった。
スラッシャー映画はシンプルな物語構造になるので、三部作にすることは困難だったはず。
住民に視点を切り替えたのは、スマートな選択。
恐怖にあおられた住民が暴走して、無実の人を追い詰めてしまう展開は現代的。群衆心理を描く時間がもっとあって良かったと思った。過去作を観れば分かるでしょ?とすっとばされた印象。
ジェイミー・リー・カーティスの活躍が少ないのが、残念。痛み止めを打つ場面は格好良かったのだが、そのあとあっさりと引き下がってしまった。これは三部作ゆえの傷害か。
最終作前のこういったケースは物語としての起承転結が弱くなり、ブリッジ感が残ってしまう。そう考えると、『インフィニティ・ウォー』は見事だった。
シャイプの解釈は良かった。人間の形をしているが、人間ではない。
絵が美しかった。70年代の再現も素晴らしい。再撮影とは思えない瞬間もあった。
『イカゲーム』第6話