『オールド』『ジェット・ブレイク』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

M・ナイト・シャマラン監督『オールド』(2021)

シンプルながら、興味をひく設定。人の一生を2時間弱で描く映画の性質ともリンクしている。

謎の解明を曖昧にせず、はっきり提示する。

108分というジャンル映画としてちょうどいい尺。

カメラの思い切りがいい。ある場面では対象がフレームから外れても、固定したまま動かさない。ある場面では右へ左へ、ズームアップしたりズームバックしたり、粗くなったととしても長回しし続ける。

シャマランが演じる男は出演者をメインステージに運び、観察・撮影・記録をする。監督のメタファーであることは明白で、それをどうどうと演じるのがらしい。

お父さんがガエル・ガルシア・ベルナルであることに気づかなかった。アレックス・ウルフを軸においた、4人の役者は顔の選択が完璧。

 

ジャスティン・リン監督『ワイルド・スピード/ジェット・ブレイク』(2021)

アクション場面での女性キャストの活躍が多くて良かった。レティのバイクアクション。ラムジーの初運転。兄の腕を掴むミア。

ラムジーの髪型がボクサーブレイズになり行動的な印象になった。

ハンの復活が嬉しい。死の偽装の具体はあやふやだけど、それでもいい。

過去と現在を交差して、ドムとジェイコブの確執と真相を描いていく。兄弟の関係性を、ドムとブライアンに重ね、第1作と同じ構図が描かれる。『アイス・ブレイク』は敵と戦う構図が弱く感じたので、兄弟の確執にフォーカスした本作はその点が解消されたように感じた。

登場人物が多く、複数のプロットが同時進行するので時々、何のために何してるんだっけ?と疑問は浮かぶ。ただその疑問が吹き飛ぶくらいの異常事態が起こるので、気にはならない。

スーパー磁力によるアクションが面白かった。宇宙行きより、そちらの方が驚いた。

 

 

ダグ・リーマン監督『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)

ふっと笑うトム・クルーズの顔で幕を閉じ、John Newman『Love Me Again』が鳴る。この切れ味が最高。このために何度も観てる。