『霧の中の少女』

ドナート・カリシ監督『霧の中の少女』(2017)

変化球的なミステリー映画の傑作は近年幾つかあるが、オーソドックスなミステリー映画の傑作というのは少ない。そういった意味で本作は貴重だ。

捜索する刑事にも容疑者にもグレーの印象を与え、ラストまで信頼すべきかどうか問い続ける。緻密な脚本と緊迫感を持続させる演出が素晴らしい。文字通りラストカットで真実を明らかにする構成も鮮やかだ。

ジャン・レノが久しぶりにいい芝居をしている。