『この世の全部を敵に回して』

打ち合わせ。先方からクライマックスを変えて欲しいというお願いがありましたが、意図を説明したら、変えずいけることになり、ほっとしております。


『この世の全部を敵に回して』読了。
物凄く信用できる世界の眺めかたでした。
「愛を大きなもの素晴らしいものとして声高に語る人間たちを信じてならない」
「そういう者たちは、たとえば愛に優先順位をつけようとする」
「彼らは愛を細分化し、時と場合によってその中のどれを優先すべきかを私たちに迫ってくる」
「ほんとうの愛とは、死すべき運命を背負わされた全部の生き物への憐憫である。それがすべての愛の源流である。愛は死すべき私たちへの小さな励ましなのだ。だからこそ愛は、どんな人間や生物にも平等に注がれる」
「私たちにできるのは自らを、そして他人を哀れみ同情することだけだ」
「ところが私たちは、特定の誰かを愛したり、特定の地域を愛したり、特定の思想を愛したりすることによって、この哀れみを捨て去ってしまう」
「人生を豊かなもの、美しいもの、愉快なもの、神々しいものであるかのように説く者たちの言葉に乗せられてはいけない」