『コラボ・モンスターズ!!』公開

オルタナティブな視点で映画を愉しむ映画情報サイト『INTRO』にインタビューが掲載されました。
http://intro.ne.jp/contents/2012/05/12_1543.html


『コラボ・モンスターズ!!』
http://www.collabomonsters.com/


高橋洋監督『旧支配者のキャロル』
主人公が追い込まれていく緊迫感と、イントレが動き出す瞬間の高揚感がぐっときました。
『先生を流産させる会』のホン直し段階で、先生が生徒に対する行動をAにするかBにするか、迷ったことがありました。相談すると、高橋さんはBがいいと推してくれましたが、僕はその意見に反し、Aと描きました。
『旧支配者のキャロル』を観て驚きました。本作も先生と生徒が対峙する物語なのですが、終盤で高橋さんはBと選択しているんです。
『先生を流産させる会』における僕の選択が間違っていたとは思いません。
ただ、高橋さんの世界観というか、作品づくりにおける切実な覚悟を強く感じました。


西山洋市監督『kasanegafuti』
『先生を流産させる会』で先生役を演じた宮田亜紀さんの主演作です。
宮田さんは僕も通っていた映画美学校では西山監督の『INAZUMA 稲妻』の主演女優として強烈に記憶せねばいけない存在でした。宮田さん=西山映画というのが映画美学校の生徒には常識的なレベルの見解なんです。他の映画美学校の講師陣もよく宮田さんを起用していました。講師陣が評価している女優を生徒である僕らが起用することは気が重い選択です。なぜなら「講師の演出に比べて、お前の演出では役者が活きていない」と比較してダメ出しされるからです。僕は講師陣が起用していたとは意識せず、シンプルに「いい女優だ」と思って起用し、そのあとで知りました。これはヤバいと焦りました。「西山さんの演出に比べて、お前はダメじゃん」とみんなから叩かれるに決まっているからです。とはいえ、本心でいいと思った女優をそんな事情で変えたくはないので、第一印象のまんま撮りました。
そうはいってもう西山さんが演出した新作における宮田さんは気になるのです。正直いって怖いです。できれば観ないでおきたいなと思い、観る機会がありましたが避けてきました。でも観ざるを得なくなり、観ました。
やっぱり西山さんが演出をつけた宮田さんはステキで、
落ち込みました。


古澤健監督『love machine』
making of LOVE』 (2010)は僕ら映画美学校11期生にとって特別な作品です。在籍中の飲みで、古澤さんはよく「仕事がねぇ」と愚痴っていました。暇だからと自主映画『古澤健のMっぽいの、好き。』シリーズの撮影をはじめ、僕ら11期生がキャスト・スタッフとして手伝いました。そこでは古澤さんは自分の映画のスタイルを発見したと興奮していました。僕らは「大丈夫か、この人」と心配しました。
making of LOVE』を観て、感動しました。それは『古澤健のMっぽいの、好き。』シリーズの発展形であり、そこで初めて古澤さんが模索していたことを真に理解したのです。
『love machine』は『古澤健のMっぽいの、好き。』『making of LOV』で発見したスタイルをさらに追及した作品です。
賑やかな場所が好きだけど、実は醒めていて、でもみんなと別れて帰るとき、淋しさに支配される・・・そんな気分を思い出させてくれます。