生宇多丸さん!

自作の上映が終わったので、晴れやかな気分でカナザワ映画祭を満喫。上映前まではだいぶ気を張ってたんだよね。


『炎628』
凄まじかった。

地鳴りのようにノイズが絶えず不吉に響くなか、ベラルーシ(旧白ロシア)におけるナチス親衛隊の特別行動隊「アインザッツグルッペン」の凶行がロシア少年の視点で描かられる。
ナチは村民たちを狭い納屋に閉じ込める。
寝たきりの老婆さえ放り込む。ぼけた老婆は状況が理解できず笑う。
村民の一人が赤ん坊を納屋から外に逃がすと、ナチは赤ん坊を奪い返して、納屋の中に戻す。
ナチが少年を納屋から引きずり出す。子どもだけは助けるかと思いきや、銃を頭に突き付けて、記念写真を撮る。
火が放たれる。
火炎放射器は撃つ時に反動で体が後ろに吹き飛ぶ。
焼き殺される村民たちの悲鳴が肌で感じるくらい襲ってくる。
モノラルだから距離感がなく、一塊の打撃のように飛んでくる。
爆音だからもう暴力だよね。
ナチたちは愉しくてしょうがないと大笑い。
陽気な音楽を流している。
ナチの女は車内で優雅にカニを喰っている。
薄暗い空。畑をのんびりと歩く牛の間を曳光弾というチカチカ光る弾がヒュンヒュン飛んでいく。実射だ。牛に当たったらヤバいじゃん・・・と失敗していたら、牛が被弾。倒れる牛。フェイクじゃなくて本当に牛を殺している。牛の眼球がアップで映される。おぞましい!本物でなければ、死んでいく牛の眼にここまでの説得力はだせなかっただろう。一晩あけて死んだ牛の眼が再度アップで映される。蠅が数匹止まっている。
村民がナチに復讐するシーンではヒトラーの画が短いカッティングで交差する。ヒトラーはどんどん若返っていき、赤ん坊になる。
映画の冒頭で可愛らしかった主人公の少年は、おじいちゃんみたいに老けた顔になっている。
自分が観たカナザワ映画祭の上映作のなかで、いちばん凄かった。


『へんげ』の助監督であり、『先生流産』の演出部である川口さんと一緒に昼飯。


連日の睡眠不足で『復讐 THE REVENGE 運命の訪問者』では寝てしまう。


アメリカン・バイオレンス』
ケネディ暗殺の寄りの画に驚く。ちゃんと頭が吹き飛んでいるのだなと唖然。
結構どうでもいいとこもあり、後半は寝た。


大畑さんと晩飯を食う。
大畑さんの行きたい寿司屋に向かうが、大畑さんは地図を読むのが苦手だったらしく、迷った。彷徨い歩き辿り着くと、その店は閉まっていた。
すぐ近くのお店にふらっと入る。初日に食べたのどぐろの姿焼きを再び頼んだ。


『クールワールド』

都内のワイズマン特集ではかからない作品。
作品としては眠かったのだが、この時代に黒人メインのキャラクターやドキュメンタリータッチの手法。興味深かった。
黒人少年グループがナイフを見せてワイワイやってるとこが良かった。


打ち上げに参戦。
二軒目ではライムスター宇多丸さんもいらっしゃった。
タマフルリスナーなので、
「わー!ラジオの声と一緒だ!!凄いぞ、今オレ、喋ってるぞ!サイン欲しいな!」
と心のなかではミーハーに大はしゃぎ。
翌日のヨシキさんと宇多丸さんのトークが見られないのだが、
この飲みでヨシキさんと宇多丸さんのトークバトルを生で見られたので大満足。
小野寺さんが『メキシコ麻薬戦争』を観るため列に並んでいる宇多丸さんを見て、「アウシュビィッツみたい」と思ったらしいwというのも『メキシコ麻薬戦争』はつまらないのだ。上映しといて、アウシュビッツ級のつまらなさと断言するとこや、ゲストに対するぞんざいさが面白かった。
小野寺さんのキャラがあってこそのカナザワ映画祭なんだろうなぁ。


3:30ごろ解散。
金沢駅に行って、始発を待つ。