先生を流産させる会、カナザワへ行く

泊めてくれた大畑さんの友人ハタケさんのご実家で用意して頂いた朝食が豪勢で驚く。ご飯・味噌汁に加え6品!ありがとうございます。


この三連休は『牛乳王子』が札幌で、
『廃棄少女』が仙台と奈良で、
そして『先生を流産させる会』がカナザワで上映される。


カナザワ映画祭のメイン会場である金沢21世紀美術館


『マンソン 悪魔の家族』
「フィルム状態が悪いので上映トラブルがある」と予告通り上映トラブルが二回。ライブ感があった。カナザワの観客は上映トラブルくらいでは動揺せず、笑って、再開まで静かに待っている。
本作は日本では勿論本国でもお蔵入りになった超レアなドキュメンタリー。理由は分かる。人でなしなドキュメンタリーなんだよね。
だってチャールズ・マンソンの信者たちが「マンソンさんはスゴイっす!」と熱弁し続けてて、被害者側の視点は完全に排除してんだよ。マンソンファミリー初心者入門みたいな。イラストもただのエロマンガだし。
飲みの席で毎回、ひっでー映画だったねと話題になった。


昼に大畑さんとハントンライスを食べる。家庭的な味で、安い。

美術館館内を周る。
レアンドロ・エルリッヒ『スイミング・プール』。

周囲は公園みたいで開放的。子どもたちが遊んでいる。

茶室にも立ち寄る。松涛庵。涼しい。

黒たい焼き。


ランボー
破壊音が耳をつんざくような爆音で突き刺さる。
スタローンは最高にかっちょいい。
ちゃらいシリーズ作と誤解されがちだが、第一作は歴史的な傑作。


『アンディ・ウオーホルBAD』
ぶっちゃけヘタクソな映画なんだけど、時折りはっとするような奇怪な演出が出現して、気の抜けない一作。
ビルから赤ちゃんが投げ捨てられて、落下死する。ワガママをいっている子どもが母親から「あんたもあんな風になるわよ!」と叱るシーンだとか。
殺害現場を目撃されて、「何をしているんだ」と問い詰められて、笑顔で「知らない」と答えてるシーンだとか。
ソフトな復讐代行を請け負う姉妹がかっこよかった。






オレの女子ゴコロをくすぐるキレイさ。
大畑監督とティーチインに向け乾杯。オレはダークラガー。大畑さんは新能登伝説。


司会をしてくれる田野辺尚人さんとティーチインの打ち合わせ『へんげ』に出演する信國さんも参加することになる。
昨晩同様、超低予算映画についての話題になる。


上映時間が迫る。
スタッフさんから凄い行列になっていると聞く。
覗いてみる。

胸が高鳴る。
会場するも、キャパを超えた客の入りに大混雑。
補助席が用意される。
爆音上映なのにスピーカーの真ん前で大丈夫かしらってとこにまで席が用意される。そえせざるを得ない状況。
補助席も置けなくなり、通路で立ち見するお客さんも。

この写真よりも観客はいっぱい。
無名監督の作品にこれだけの観客が集まってくれて光栄だ。
予定時間を10分おして、上映がはじまった。

どちらも上映後に拍手が起こった。
映画をつくる相当な苦労が一瞬にして報われたような多幸感。


『へんげ』は樋口尚人さんの推薦通り、爆音で長島さんの音楽が暴れまくっている。エモーショナルな叫びは、より感動的に響いた。
『大拳銃』から『へんげ』に至る過程で、「破壊的なアレがデカくなって登場する」というテーマを引き継ぎ発展させたストレートさが爽快だ。
『先生を流産させる会』は『へんげ』の衝撃のあとでは霞んでしまうのではと心配していたが、監督本人がいうのも恥ずかしいですが、良かったです。見るたびに未熟な面が気になってしまうのですが、低音が強い音楽は爆音との相性が良く、特にクライマックスに鳴る音楽の低音ドーンはビリビリと振動が伝わって、すんごい迫力だった。この場で上映させて頂いて本当に良かった。


観客の多くが満足してくれたようで、その熱気を肌で感じられた。
今後の心の支えになると思う。
ティーチインは時間が殆どなかったが、前から観る満席の観客は感動的な光景だった。
田野辺さんが『へんげ』『先生流産』の公開には観客の皆さんの声が必要だとアジってくれた。
楽屋に戻るとヨシキさんが「これを観て死ななきゃいけない奴が日本にはいっぱいいる」とヨシキさんらしい言葉で褒めてくれ、握手をした。


打ち上げでは美味しい酒を飲めた。みんなでTL上の両作の好意的な評価をみて、盛り上がった。
大きい貝を食べた。

3:00ごろ解散。また大畑さんの友だちの家に泊めてもらった。
感動を反芻し、ニヤけながら寝た。