「ファッション・ヘル」「牛乳王子」 in 「MOOSIC LAB」

「ファッションヘル」「牛乳王子」@池袋シネマロサ


継田淳監督「ファッションヘル」
ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 正式招待
http://www.youtube.com/watch?v=lG_ZZdjIyDY


「牛乳王子」
http://www.youtube.com/watch?v=hwCEEV9Dw1c


トークゲスト:古澤健監督(「オトシモノ」「making of LOVE」「ANOTHER」


「ファッションヘル」は既にDVDで観ていたんですけど、劇場で観ると違いますね。やっぱ。
メガネの男に殴られた女がどーんと眼球を飛び出すショットとあわわする引きのショットのタイミングが絶妙ですよね。3回目なのに笑った。
僕はメガネの男がチンコを失ってから男気を発揮するとこが大好きです。男気をみせてからチンコを失うとギャグなんだけど、敢えてチンコを失ってからこそ男気を発揮するとこが感動的です。このシーンからぐーっと物語は盛り上がっていくんですが、劇場の空気もそこでぐーっと盛り上がっていて、それを多くの観客と共に体感できたのが愉しかったです。「いけいけーやっつけろー」とみんなで観戦するノリ。「デス・プルーフ」のクライマックスに似た感触。
単純なことなんですが、「キャラクターの寄りが観たいところで、ちゃんと寄りがある」ってことも凄いなって思いました。撮影現場を知らない人には「そんなん当たり前じゃん」って思うかもしれませんが、それって結構難しいことなんです。低予算映画の現場ではスケジュールがタイトで、じっくり練って演出をつけたり、テイクを重ねることは厳しいです。撮影が難しいショットも控えなければいけません。こだわる余裕はあまりなくて、どんどんサクサク撮らなければ、終わんないんです。限られた時間のなかでいかにいいものを撮れるかって勝負なのです。
時間が迫ってくるとキャストとスタッフから冷たーい眼が向けられるのですね。そうすっと、「とりあえずロングで一連の芝居を撮っておけばいっか。寄りがなくても成り立つよね。」と諦めてしまうことがあるのですよ。「ファッションヘル」は4日間で75分の作品を撮ったのに、寄りのショットが的確にあるんです。それは必要な寄りのショットを現場で見極める理性と感性を監督が持ち備えていることの証明です。的確なショットで構成されているので、映画の呼吸があります。DVDスルーの企画で撮られた作品ですが、海外映画祭に招待されるまでの作品に仕上がっています。コストパフォーマンスの高さはハンパないっす。
「ファッションヘル」には僕に足りないところがいっぱい詰まっているのだなと気づきました。


打ち上げ。
桑原あつしさんとお話できたことに感涙。桑原さんは「サウスパーク」の日本語翻訳を担当されてきた方。高校生のとき学校で友だちがいなくて、中学校の知り合いにWOWOWで「サウスパーク」を録画してもらい、それを繰り返し観ることが唯一の愉しみでした。
さらになんと、日本語吹き替えのメイキングで継田さんがカメラをまわしていたそうです。
わーなんかすげぇ。


深夜3時過ぎに帰宅。
2時間睡眠で、仕事に向かう。