『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『死霊館 悪魔のせいなら無罪』
キャリー・ジョージ・フクナガ監督『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)IMAXレーザー
ようやく公開。
ビッグなスペクタクルが連続するので、注意を惹きつけられるパワーはあるものの、なかなかメインストーリーが始まらない。1時間近くにようやく始まった気がする。
序盤で描かれるエピソードも面白いのだが、なかなか次につながらない。短篇を見終わった印象。
「スぺクター」から「サフィン」に敵が移行する。だが、「スペクター」はおまけ的なテンションで登場するので存在感が薄い。「サフィン」はボンドと対峙するまでに時間がかかりすぎて、結果的に存在感が薄い。スペクタクルは連続するが、ボンドを追い詰める敵の印象が弱かった。
アナ・デ・アルマスは最高にカッコよかった。キック最高。だが、ワンシークエンスのスペシャルゲストに過ぎない。なので、勿体ない印象。
新007が黒人女性というのも面白いし、サングラス姿のラシャーナ・リンチもカッコよかったのだが、彼女も途中から登場するので、バディ感があまりない。
今回はダニー・ボイル監督の降板もあったので、プリプロのゴタゴタで脚本が未整理だったんだろう。クレジットされている脚本家の名前も多いし。
キャリー・ジョージ・フクナガ監督は『トゥルー・ディテクテヴ』が大好き。今回もカッコいい絵がいっぱいあったが、終盤になると弱かったようにも感じる。脚本の迷走の影響か。
ボンドが死ぬのはいい選択だと思った。だが、せっかくなら自己犠牲が際立つような展開にして欲しかった。アイアンマンみたいに。グズグズしてて死んじゃったような印象もある。
マイケル・チャベス監督『死霊館 悪魔のせいなら無罪』(2021)
邦題から『エミリー・ローズ』みたいな裁判劇だと思い込んでいたが、どちらかというと悪魔崇拝者を調査するミステリーサスペンスだった。
ヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンの夫婦役は和む。