冨永圭祐監督『乱心』

同期の冨永圭祐の監督作『乱心』初上映。
冨永さんは『牛乳王子』『先生を流産させる会』の編集を担当してくれた。手厳しく批評的に編集してくれるので信頼している。
普段もよく遊んでる同期で、
フラれていっぱいいっぱいのときにはお世話になりました。泊まりに来てもらったり、泊まりに行ったり。
当然映画のことはよく話すんだけど、好きな映画が必ずしも一致する訳じゃなくて、ズレることも多い。ただ「こーゆー映画ってクソだよな」っていう嫌いな映画は決まって一致する。だから、いい。
そんな冨永さんが撮った渾身の作品が『乱心』。
冷たく厳しい肌触りが心地いい中篇。
ごーと荒々しい風が吹くなか、寒々しい光景に男女がバス停にポツンと座っているとこに、黒い車が横切るショットだとか、
浜辺に停車した車のなかでヒロインが男に酷いことされるシーンで愉快な音楽が鳴り響きながら、カメラが移動するショットとか、
充実した心地よさがあると思う。
監督がこれしかないんだ!と選びとった切実さが画に表れていて、ゴツゴツした印象もあるけど、それも含めて好きだ。
鍋を四人が囲んでいるシーンの切り返しも食器のなめにこだわって撮ってて素敵。
主役を演じた福島の幽霊のような佇まいが良かった。
あとね。クラマックスの柳さんの叫びは泣ける。



会場はほぼ満席。
やったね、冨永さんっ!


上映前に『死ね!死ね!シネマ』の予告編がかかっていて、自分がつくった予告編を映画館ではじめてみて、感動していたんですが、
『乱心』の上映中にトラブル発生。
映写チェックでは問題なかったのに、上映開始してしばらくすると画面が前後する異常が発生。
『死ね!死ね!シネマ』の呪いでしょうか?