『グッドナイト、マミー』『LAMB/ラム』
マット・ソベル監督『グッドナイト、マミー』(2022)
ベロニカ・フランツ、セベリン・フィアラ監督『グッドナイト・マミー』(2014)のリメイク。オリジナルのヒリヒリした緊迫感は後退した印象。分かりやすく丁寧に語り直そうとした脚色。そこは好感が持てた。
冒頭にホームビデオ を入れて、仲の良い家族であることを示す。
双子と再会したときに、ママは温和なリアクションをする。それによって、「ママが偽者ではないか?」と疑問を覚えたときの意外性を強調している。
「ママが偽者ではないか?」と疑念を抱くミスリードを丁寧に重ねる。
「納屋には入ってはならない」とママが忠告。
ママが鏡の前で奇妙に踊り、吸わないはずの煙草を吸う。
子守歌を歌うことを拒否して、子供は「歌詞を知らないんじゃないか」と疑念を抱く。
目の色が違う。
双子が描いた家族の絵を捨てていた。
顔パックを剥がそうとしたら、ママは激昂する。
「ママと言いなさい」と子供をシャワー責め。
ママが全身の皮を剝き、化け物となって襲ってくる悪夢を見る。キャッチーなサービスカット。
警察に怪我の説明を求められたママは、嘘の理由を答える。
子供はママが偽者だと訴えるが、警察は信じなかったために、攻撃に移行する。攻撃に移行するの理由も明確。
ママへの攻撃は、かなりソフトな内容になってしまったので、ここはオリジナルに比べて物足りない。
オリジナルでは敢えて双子の見分けがつかないようにしていたが、リメイクでは分かりやすい。
基本的にママと対立するのはエリアス。
エリアスはカラーコンタクトを発見したことで、ママの言葉を信じて、ルーカスの存在に疑問を抱く。
ママがエリアスを正気に戻そうと必死に語りかける。そこはナオミ・ワッツの演技力もあって良かった。
エリアスは真実を拒否してしまい、ママの死から逃げる。そのため、ママも新たなイマジナリーフレンドになってしまう。
ママの包帯のデザイン。同じ衣服を着て、仮面をかぶった双子。鏡に映った歪んだママの目。ビジュアルはオリジナルの方が印象的。
ヴァルディマル・ヨハンソン監督『LAMB/ラム』(2021)