『真夜中のミサ』E3

『真夜中のミサ』第3話

歩けるようになった少女が学校に登校する。同級生や島民が連れ添って歩く。この奇跡が村人の気持ちを大きく変えたことを視覚的に表すアクション。

少女が自分を下半身不随にした男ジョーを赦す。それでジョーが信仰に目覚める。

信仰を巡る大人たちの議論。イスラム教徒の保安官は、息子が学校から聖書を持ち帰ったことに違和感を伝える。保安官はキリスト教に理解を示しており、公立学校でキリスト教の聖書を読ませたことに疑義を唱えているだけなので、公平に聞こえる。一方でキリスト教信者のベヴァリーは、イスラム教徒への偏見を滲ませる。「イスラム教徒は攻撃的」と歪んだ認識を発言に織り交ぜる。『ミスト』のカーモディみたいな存在感。独善的で、他の考えを寄せ付けず、信仰を押しつける。いい感じにむかつく。平常時なら島民もドライに対応したかもしれないが、下半身不随の少女が歩けるようになった奇跡を目の当たりにしたため、ベヴァリーを支持する。少女の両親は保安官に対して嘲笑を浮かべさえする。苛立ちをじわじわと沸きたてる名場面。

聖書の一節が吸血行為と解釈し、吸血鬼が天使として登場する。

壁に掛けられた写真にゆっくりズームアップする。『シャイニング』オマージュか。神父が若返ったことを示すショットとしてスマート。

妊婦が超音波したところ、赤ちゃんが消えてしまう。これは見たことないパターンの怪異。