『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』

マイク・フラナガン監督『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』


時空を超えて、壊れた家族の痛みを繊細に綴っていく。こんなクソみたいな現実なら、幽霊にとり憑かれたほうがマシだよね、と思えるハードさ。
構成も見事。「赤い部屋」の秘密は「その手があったか」と。第5話の「首折れ女幽霊」の正体が心を抉るほどの哀しさ。
幽霊描写は心霊実話テイスト。驚いたのは、物語上触れられることのない幽霊が時折映り込むこと。ちょっと引っかかる描写があって、ネット検索して気づいた。この徹底ぶりは凄い。

スティーブン・キングに絶賛され、マイク・フラナガン監督が『シャイニング』の続編に抜擢されたことも頷ける。
キューブリック版『シャイニング』をキングは批判し続けているが、『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』の「白い部屋」はキューブリックっぽかった。