ブログ「瓶詰めの映画地獄」にて「牛乳王子」レヴュー

ブログ「瓶詰めの映画地獄」にて管理人・栗本さんが「牛乳王子」のレヴューを書いて下さいました。
http://eigajigoku.at.webry.info/200912/article_4.html

栗本さんの個人史とリンクするような映画祭・映画だったようです。名古屋に来られたことがあるようなんですが、僕は愛知県出身で、名古屋の小劇場に関わっていた時期があり、そこで加藤真(牛乳王子役)と安藤舞(ヒロイン役)と出会いました。奇遇だなぁ。
栗本さんがおっしゃる通り学生残酷映画祭はサブカルならではの熱気が満ちていて楽しかった。「牛乳王子」が上映された他の映画祭よりも規模が小さいのに、リアクションが大きい。


「なぜ牛乳なのかといえば、ひょっとして監督に牛乳に対する何かがあるのかもしれないけど多分大した意味はなく、精液のメタファーとかいう有り体な深読みなど潔く撥ねつけ、ひたすらドリフの進化型にしか見えないのが清々しい。そう、ボクたちの世代にとって、牛乳は呑むものじゃなく吐くものだと教えてくれたのはなによりドリフのコントだった!!」
この指摘には驚きました。まさにそうなのです。「牛乳王子」は映画美学校初等科修了制作として撮りました。企画を練っていたとき、スラッシャー映画がやりたいなって思ってて、「武器は何にしようかしら」と考えていたときに、「ゴッドタン」の企画「芸人マジ歌選手権」を目にして、「これだ!」と思いました。審査員が口に含んだまま芸人のマジ歌を聴いて、面白すぎて吐き出しちゃう企画でした。
小学生時代からドリフ(特に志村けん)ととんねるずが大好きで、「口に含んだ牛乳で笑い」をとるという方法論は染みついていました。給食の時間とかよくふざけて牛乳を吐き出してたし、飲み会でもビールを吐き出していたこともありました。
処女作は「ナイスミルク」(2003)といって、僕が牛乳を吐いて、それを加藤真(牛乳王子役)に飲ませるって感じの話でした。
オナニーシーンは後づけでつけたもので、人から「牛乳って精液のメタファーってこと?」と指摘され初めて気づきました。


「だけどその先天的陽性さこそが、女子が主人公を蹴る時の一撃一撃や、ラストの“傘刺し”シーンに見られるような、絶妙なタイミングが生み出す爽快感によって増長され類稀なるカタルシスへとつながっていたのではないだろうか?」「超ネガティヴな感情を、超ポジティヴにエンターテインメントとして昇華させる」
と評価してくれている点は僕が目指していたもので、分かっていただけて本当にうれしいです。


講師や美学校生以外の方からの評価ってなかなか貰えないし、映画祭で上映されても観客のストレートな感想を聞ける機会はあまりない。なので一般客の感想に飢えていた。
また映画祭での上映も、ケータイ小説映画が好きそうな客やアート映画が好きそうな客が相手のときもあり(そういった門外漢を相手に作品を届けるのも大切なんでしょうが)、やはりホラーファンに向けてつくった作品でもあるから、ホラーを分かっている方がどう感じるのか知りたいという思いがあった。それもプロではなく、一般のホラー好き。
今回は一般客の初のレビューを頂けたので、すげぇ嬉しいっす。


「牛乳王子」を批評して下さるブロガーさん、募集しています。無理して褒めず、素直に書いてくださって構いません。