ラピュタ阿佐ヶ谷:THE 恐怖女子高校 伝説のスケバン乙女たちよ、ふたたび


『恐怖女子高校』シリーズ全四作の国内初ソフト化を祝して、ラピュタ阿佐ヶ谷が全作を上映した。愉しい特集上映だった。
僕は東映ピンキーバイオレンスの代表作を収録した輸入盤DVDを買って、シリーズ第二作『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』に出会って、惚れた。他のシリーズ作も気になっていたので、スクリーンで観れて良かった。

現代映画は「自然っぽさ」だとか「リアリティ」みたいのばっか重宝する傾向にあるが、そのせいで映画が窮屈になっている面もある。
バイクで学校の廊下を走る池玲子を観て、「自然っぽさ」だとか「リアリティ」を超越したものこそフィクションの面白さではないだろうかと思った。

鈴木則文のフィクションにかける意志は絶対に正しい。



恐怖女子高校 女暴力教室(1972)
1972年/東映京都/カラー/78分
■監督・脚本:鈴木則文/脚本:掛札昌裕関本郁夫/撮影:鈴木重平/美術:雨森義允/音楽:八木正生
■出演:杉本美樹池玲子、三浦夏子、衣麻遼子、丘ナオミ、碧川ジュン、須藤リカ、成瀬正孝、由利徹大泉滉、松井康子、岡八郎三原葉子金子信雄名和宏
暴力や非行が横行する神戸の女子学園は、教師の美辞麗句とは裏腹な「どうぶつえん」だった。番を張る杉本美樹と対立する衣麻遼子のグループ、転校してくる一匹狼の池玲子。熱血教師の成瀬正孝、壮絶リンチを受ける三浦夏子、軽妙艶技の丘ナオミ。抗争の背後には、理事長親子の野望があった。


恐怖女子高校 暴行リンチ教室(1973)
1973年/東映京都/カラー/88分
■監督:鈴木則文/脚本:鴨井達比古/撮影:鈴木重平/美術:雨森義允/音楽:八木正生
■出演:杉本美樹池玲子、太田美鈴、衣麻遼子、佐分利聖子、叶優子、早乙女りえ、碧川ジュン、一の瀬レナ、城恵美、渡瀬恒彦三原葉子金子信雄名和宏、北村英三、今井健二
希望学園」とは名ばかりの不良女子学園に、続々と集結する杉本、池、太田美鈴ら女番長たち。教頭と結託し暴力で支配する、衣麻ら風紀委員たち。やがて、惨たらしい制裁が続く腐りきった学園に、女番長たちは怒りを爆発させる。校長は女子高生らに強チンされ、理事長の政治生命にも危機が。


恐怖女子高校 不良悶絶グループ(1973)
1973年/東映京都/カラー/87分
■監督・脚本:志村正浩/脚本:関本郁夫鈴木則文/撮影:赤塚滋/美術:吉村晟/音楽:荒木一郎
■出演:池玲子、叶優子、太田美鈴、早乙女りえ、一の瀬レナ、衣麻遼子、碧川ジュン、城恵美、芹明香、愛川まこと、三原葉子、白石襄、遠藤辰雄大泉滉名和宏
基地の町・岩国で、良家の子女たちの「紅ばら会」と貧乏人や混血児の「恐竜会」が激突する「聖愛学園」。「死の商人」の罠に翻弄されながら、反撃するやさぐれ少女。前二作の鈴木則文監督に代わり、弟子の志村正浩関本郁夫らの骨太の脚本を得て監督デビュー。強姦シーン熱演の叶優子にも注目を。


恐怖女子高校 アニマル同級生(1973)
1973年/東映京都/カラー/87分
■監督:志村正浩/脚本:掛札昌裕中島信昭/撮影:増田敏雄/美術:富田治郎/音楽:鏑木創
■出演:池玲子衣麻遼子、一の瀬レナ、城恵美、早乙女りえ、田島晴美、織部ゆう子、成瀬正孝、葵三津子、大泉滉高野真二汐路章金子信雄
学園自慢の海外留学制度に隠された売春組織。衣麻ら不良グループ「黒バラ会」の上に君臨する一の瀬レナらの体育会。姉がアメリカで行方不明になった真相を暴いていく転校生の池。ラストは、空前絶後の集団女闘美へ。後に日活ロマンポルノでスターになった八城夏子(織部ゆう子)のデビュー作。