(5)少年法を知る
[演技 少年の取り調べ]
綾瀬母子殺人事件、山形マット死事件、Netflixドキュメンタリー『殺人者への道』といった事実認定の甘さが問題となった少年事件を題材に、
刑事や裁判官の質問に答える少年を演じ、虚偽自白をしてしまう心理について考えました。
少年法とは何なのか?
子どもたちにも分かりやすく丁寧に講演していただきました。
また子どもたちからの質問を受けつけ、一つ一つ答えていただました。
「少年審判は“少年が何をしたか?”ではなく、“少年はどんな性格か?”を問題としている」
「少年を矯正することが目的」
「少年法の厳罰化を求めるのはなぜ?」という問いに
子どもが「少年事件の事件数が増え、凶悪化している」と答える。
しかし現実は、事件数も凶悪犯も減っている。(少子化を考慮した少年人口比でも減っている)
「子どもたちの不満が減少し、不安が増大している」
かつては学校や社会への「不満」が非行へ繋がったが、
他者からどのように見られているか、自分は承認されているか という「不安」が、いじめや自傷・自殺に繋がる。
「少年たちにも大人と同じ権利を求めるべきだというまさにその声が、加害少年に対して教育処遇ではなく刑事責任を求める声にもなっている」
少年法の適用年齢(現行20歳未満)を18歳未満に引き下げる問題についても言及。
18、19歳が保護処分(少年院送致など)の対象から外れ、今の成人と同様の刑事手続きで扱われる。
18、19歳は大人と同じ扱いになることによって、「矯正」が受けられなくなる。受けなくてもよくなる。
「厳罰化」のつもりで適用年齢の引き下げを考えているかもしれないが、それって果たして「厳罰化」なのか?
「矯正」によって再犯を防ぐことと、どちらが有効か?
子ども「少年法って私たちにとって大事なことなのに、どうして学校で教えてくれないんですか?」
土井先生「日本の学校教育は社会的・政治的な問題に触れることを極力避けてきたんです」
最後に世阿弥の「離見の見」を紹介し、演じることも、少年事件について考えることも、客観的に自分を見つめることが大切だと伝えてくれました。
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[ロールプレイ いじめ アクション篇]
被害者役は加害者役から逃げることを目的とする。加害者役は被害者役の動きを封じることを目的とする。
被害者役は歩くことしか出来ないが、加害者役は走ることができる。
言葉を使わず、身体的に表現し、いじめのプレッシャーを体験し、追い詰める/追い詰められる気持ちを味わう。
[ロールプレイ いじめ 言葉篇]
意図せず深く傷つくことが起こりうるので、いじめる理由は個人的な事柄(身体的なこと・その子自身に関わること)を避ける。
抽象的な役名を与え、演じる本人から一定距離をとり、客観視できるよう配慮する。
被害者役はギブアップと感じたら手を挙げる。
終わったあとに、加害者役と被害者役が握手する。
加害者役のどの言葉がいちばん辛かったか答える。
被害者役:少女漫画さん
「キュンキュンさせてるけど、現実にねぇーんだよ」
「壁ドンとか、キメーんだよ」
「床ドンは犯罪だからな」
「少女じゃないだろ、そもそも」
「『ドラゴンボール』見習えよ」