絶歌

元少年Aの手記『絶歌』を読んだ。

絶歌

絶歌

少年Aは同い年の生まれだ。そして僕は暗い青春を過ごしていたので、少年Aの起こした犯罪は、自分の不穏な内面を現実化したような気がして、動揺した。そうゆう同世代は少なくない、と思っている。
手記を読んで、文章が巧いと思った。技術的に。
気になったのは、少年Aのナルシシズム中二病のまま30歳を過ぎてしまうと、こうなるのか。少年犯罪者はヒーローではなく、凡人。という、虚しさ。とはいえ、この手記を読んで歓喜した凡人が、おぞましい凡庸な犯罪を行ったら、怖い。
少年犯罪が起こると、残酷映画の影響が糾弾される。少年Aの手記にはユーミン村上春樹の引用がある。だったら、ユーミン村上春樹も糾弾されるべき、と思った。
出版すべきか?と問われれば、表現の自由として許されてるべきだと思うが、同時に自分が被害者の親ならば、絶対に訴えると思う。