『スクリーム4』『三銃士』

『スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション』@東急ミラノ

『スクリーム』を観たのは中3だったかな。『スクリーム』シリーズは10代に直撃した世代で、大好きです。
11年後に発表された『4』に新しさは感じなかったけど、同窓会感を十分楽しめました。
冒頭のネタはつまんなかったし、ファーストシークエンスのサスペンス演出が『1』に比べて雑で、つまづいたスタートだったけど、
キャラクターの魅力に惹き込まれていきました。
保安官に恋する後輩が良くてね。もっさいビジュアルなのに、若くて綺麗な後輩がベタ惚れで、不仲な妻とバトルするわけですよ。いやー可愛かった。
映画オタク役がピース又吉に似てた。マコーレー・カルキンの弟らしい。
ネーブ・キャンベルはやっぱ老けたなーって思ったけど、エマ・ロバーツがめちゃくちゃ可愛い。ジュリア・ロバーツの姪らしい。彼女を「ネクスト・ジェネレーション」として出演させただけで、価値があると思う。終盤のエマ・ロバーツの行動には胸キュンしまくりでした。
「有名になりたい願望」をテーマに旧シリーズのキャラクターと新世代を繋げてたのは良かった。
終盤の展開はどきどきしました。
いまいちだった人も「最近のウェス・クレイブンってつまらない」と思わずに、『パニック・フライト』を観て欲しいです。傑作です。ホラーの監督といわれているけど、恐怖演出よりもショッカーやアクション演出に興味があるんだと思う。だからスリラー・アクションの『パニック・フライト』は最高の題材なのですよ。『スクリーム』もじわじわ恐怖が迫ってくるわけじゃなくて、殺人鬼がズッコケながら追っかけてくるとこが面白い訳だし。


三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』@新宿ピカデリー

面白かった!ポール・W・S・アンダーソンは『モータル・コンバット』(1995)からずっと追っかけているけど、『バイオハザード』 (2001)級の代表作だと思う。みんな「才能がないほうのアンダーソン」とかバカにするけど、絶対にイイやつだぞ!!
美術がいいです。現代と中世のバランスのとり方が絶妙。現代の型を押し込んで根本からいじるようなことはせず、中世の型をベースにしつつ、現代人が「かっこいい」と思えるベストなバランスを掴んでいる。オーランド・ブルームのファッションセンスに怯え、国政よりも最新の流行カラーは何色なのかと頭を悩ませるルイ13世が面白い。そんなダメダメ王子が最終的にファッション(首飾り)を虚栄ではなく、愛の証として捉える流れもぐっとくる。
キャラクターがみんないいんですよ。全員、好き。もっと観たいって思う。結構いっぱい出てくるけど、ちゃんと描き分けているし、各キャラクターがぶつかりあう必然性もある。善と悪みたいな分け方もしてなくて、みんな信念があって行動している。その信念がいい子ちゃんぶりっこになってなくて、下世話なとこもいい。三銃士のリーダー・アトスなんて「本気で好きになった女をいけ好かない男に奪われて悔しい」だからね。多いに共感ですよ。
枢機卿はわっるーい人なんだけど、『イングロリアスバスターズ』ランダ大佐と同じく愛嬌があるとこがいいです。「こいつ、悪い奴」って思うより、「愉しい人だな」って思えるんですよね。
ルイ13王の奥さんアンヌ王妃はあんまり可愛くないんです。侍女のほうが可愛いんです。ルイ13世はダメ男だから本当は好きじゃないんだろうなって思うんだけど、実はちょー好きで、鏡の前で化粧しながら(自分より可愛い)侍女に「王子の心を独占したいわ」っていうんですよ。可愛くないっすか!?枢機卿に立ち向かって、物怖じせずに啖呵をきるとこなんかアツいです。扉が閉まった瞬間に泣き崩れるです。そんで(自分より可愛い)侍女に慰められるんです。
その王妃より可愛い侍女コンスタンスがいいんです。主人公のアプローチに対して田舎者のくせにって冷淡にあしらってたのに、任務を依頼せざるを得なくなり、主人公がしぶるとちゅーするんですよ。主人公は当然危険な任務を引き受けるわけです。だってちゅーしてくれたから。とんだビッチですよね。でも、オレも同じ状況だったら喜んでだまされると思います。終盤で縛られて、おっぱいがぎゅってなってたとこも良かったですね。演じているのはカブリエラ・ワイルド。
ミラ・ジョヴォビッチは逆に「あたし、ビッチですけど何か?」ってふてぶてしい佇まいが最高ですね。アクションもいっぱいするし、エロショットもいっぱいあります。監督のポール・W・S・アンダーソンの奥さんなんですよね。自分の嫁を自分の映画にだして、アクションさせたり、エロく撮ったりして、絶対にイイ人です。嫁大好き監督といえばロブ・ゾンビもそうですが、「新人監督―ハリウッド女優」という立場で出会って、恋を射止めたのは凄いです。憧れますよ。
オーランド・ブルームは愉しそうに演じてましたね。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズが代表作ですが、ブルームがメインだったはずなのに、ジョニー・デップのカリスマ性に負けてしまい、その後失敗作続きで、今では残念な立ち位置にいます。そのせいか、あんま気負わずに伸び伸びとやってましたね。出番は少なかったんですけど、続篇で活躍して欲しいな。
空中戦のアイディアも3Dに適してて、愉しめました。
美術で世界観をつくって、キャラクターの魅力で惹き込んで、ド派手なアクションを堪能するって流れが素晴らしいなって思いました。娯楽だなーっと。