『イレブン・ミニッツ』

イエジ―・スコリモフスキ監督『イレブン・ミニッツ』試写

11分間の出来事が複数の視点で描かれる。11分に切り取られた日常が、絶えず不穏さを湛えて進行する。
幾つもの視点が雪崩れ込むように終結した地点で巻き起こったのは、「風が吹けば桶屋が儲かる」。
あまりのことに笑ってしまった。デ・パルマの『ファム・ファタール』というか、『ファイナル・ディスティネーション』というか。でもサスペンス的に凄い訳じゃなくて、かといってスタイリッシュじゃなくて、どちらかというとギャグに近いんだけど、哲学を煮詰めた結果こうなったのかなと勘繰ることもできるし、ボケているのかなとも思えたりもして、きっと達観し過ぎちゃって、こうなったんだろうと結論づけ、清々しい気分になった。