『6才のボクが、大人になるまで。』

リチャード・リンクレイター監督『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)


大人役が印象に残る作品だった。
成長していく子役は頼りなさげで、「大丈夫かな??」という気持ちを喚起させる。本作のラストとして設定された、「大人」になる瞬間さえ、危なかっしく感じる。
パトリシア・アークシエットも、イーサン・ホークも、「劣化」していく。「毎年数日間撮影する」というスタイルのため、経年変化の「劣化」は残酷に刻印されている。
「6才のボク」が「大人」になるまで見守った大人の人生は、「自分」の人生とは、なんだったのか。
ドキュメンタリックに切り取られているため、心地いい着地点ではない。
「大人」になってしまった息子に対して発する母親の「もっと長いかと思っていたのに!」という言葉には動揺した。