『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

高橋渉監督『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014)


手塚マンガ的なロボットの悲哀を語り(始まりと終わりを示す主観ショット、子どもに父親の生首を運ばせるグロテスクさ、妻にスルーされるロングショットの残酷さ、)
敵に『大日本帝国』の主題歌を歌わせて日本の右傾化を批評し(父性の復権という現代的で、それだけ取り出してみれば美しいことのように感じられるが、その延長線上にある恐怖を滲ませている)
帰り道呟きたくなるギャグを連発し(なんのこれしき、パンはピロシキ!)
ピーマンで笑いと泣きを同時に提供する(『ウォーリー』でデブな未来人が立ち上がる瞬間を想起)
非常に豊かな映画でした。