『アメイジング・スパイダーマン2』

マーク・ウェブ監督『アメイジングスパイダーマン2』(2014)

第一作よりも良かったし、上手いなーとも思ったりしたけど、いけ好かない
主人公がチャラ過ぎる。「中学の時イケているグループに属してた人間」なのでしょう。心を許せない。重い展開もあるけど、「チャラ過ぎたお前が悪い」と思った。
サム・ライミ版は主人公が童貞的な鬱屈を抱えているから愛せたのだと思う。大傑作『2』でNY市民がスパイダーマンの正体を知って「まだ子供なのに…」と感嘆をもらし、敵に向かって「俺たちが代わりに闘う」と主人公を守るところは傑出した場面だが、クラスの隅っこにいた人間による闘いが報われるから感動的だった。マーク・ウェブ版は人気者であることが前提で、それを楽しんでいる。スマフォの着信音をスパイダーマンのテーマ曲にするくらいだ。そこが肌に合わない。
マーク・ウェブ監督の作品は毎回、「人としてどーなの」とヒクことが多い。『(500)日のサマー』は手近な女でオッケーって結論をステキなこととして描いているのがありえない。新たな恋愛に向かうなら、『寝取られ男のラブ♂バカンス』くらい闘ってもらわなければ困る。『アメスパ1』は、死の間際でした愛する人の親との約束を「守れない約束もある」なんて言い出すのは、倫理上許されないと思った。『アメスパ2』で一応懺悔の気持ちはあることを示しているが、卒業式でキスしちゃうチャラさにまずヒいた。自分から別れておいて、ストーキングしたうえ、キスを迫る。「愛ラブユー」ってバカバカしい求愛をしたかと思えば、NYを見捨てて、寄りを戻すと言い出す。『ヘルボーイⅡ』みたいに「世界が滅んだって、君を愛する」という重い決断ならいいんだけど、「好きな人と離れたら淋しい」ってだけなのがどうも受け入れずらい。
でも、エマ・ストーンは超かわいかったです。