『ゴジラvsデストロイア』『ゴジラ』『家族の灯り』

大河原孝夫監督『ゴジラvsデストロイア』(1995)

赤く輝くゴジラ、かっちょいい。
デストロイアに迫るゴジラを捉えた俯瞰ショットが好き。
芹沢博士の再登場には心を持っていかれる。
煙の中をトラックアップしていくと、光を背負ったゴジラのシルエットが現れるラストショットから、エンドクレジット共に流れるゴジラ登場場面の数々、第一作から一続きで観たからこそ感動が深まった。
劇場公開時の特典・握ると赤くなるヒートアップゴジラのフィギィアって凄いブラックユーモア。


橋本幸治監督『ゴジラ』(1984)

ゴジラを自然災害として捉えた描写が良かった。金子信雄が演じる大臣は悪巧みしているのではと思ってしまうけど。
高層ビルの穴からスーパーXが攻撃するビジュアルが燃える。
火山にゴジラが落下したあと、黒煙が放射状に飛ぶショットが好き。


マノエル・ド・オリヴェイラ監督『家族の灯り』(2012)@岩波ホール

監督、105歳。
冒頭の港を捉えたショットで蠢く海、暗闇からぬっと飛び出す両腕を目にして「おおっ」なるが、
フィックスの画で会話が延々と続くので、「こりゃ寝るな」と思ったが、意外と寝なかった。
でもどう受け止めればいいか分かんないや。泥棒と結婚したうえに、姑から責められる奥さんが可哀想だと思った。
椅子に座った家族を常に見下ろすようなアングルで撮っていたのが、怖かった。あれは死を受け入れた人間の視点なのかしら。