高橋洋監督「恐怖」の本気感

テアトル新宿で「恐怖」鑑賞。高橋さんの本気感が感動的。「女優霊」「リング」でコアな資質をちょい薄めて、大衆性を獲得した。今回はフルスイング。白いモヤモヤしたやつは高橋さんのコアな思想が具象したもののように感じた。
・ 今更黒髪の女が出てきたって怖くない。所謂Jホラーはもう終わっている。その先の恐怖表現はないのか。いま恐怖を感じられるものはなんなのか。「恐怖」はそうゆうことを本気で考え抜いている。「マーターズ」はアートっぽい雰囲気で逃げた。
・ 脚本作であり、高く評価されているのに高橋さんは「女優霊」「リング」に関して「もっと出来たのでは」といった旨を語っていた。だから高橋さんが脚本だけでなく演出もやるホラーが観てみたかった。監督作「ソドムの市」「狂気の海」も面白かったが、シリアスなホラーは観てみたいとずっと思っていたので、その願望が実現したことに多幸感を味わう。