ロバート・マリガン監督『悪を呼ぶ少年』(1972)
「悪事を行う人物が実は主人公の幻想だった」という仕掛けはもはや物珍しくはないが、それが分かっていても楽しめた。仕掛けを明かしてから、終盤に至るのもいい。
祖母から教えられた現実逃避術や手品師のエピソードが効いている。
はっきりとは映らないが、赤ん坊が瓶に入っているショットは戦慄する。
アリス・ウー監督『ハーフ・オブ・イット』(2020)
3人の高校生の『シラノ・ド・ベルジュラック』的3角関係。
ゴールは恋愛対象を手に入れることではなく、
周囲から望まれる役割を捨て、自分自身が望む道に進むこと。
だから3人が想いを明らかにして、ぶつけ合う教会は泣ける。