冬篇リハ(2) 加害者家族
今週は加害者家族役のリハーサル
いじめっ子に関する研究を読みました。
脳のfMRIスキャンを使用した最新の研究によると、いじめっ子の脳には他人の苦しみを見ると喜びを感じる回路が備わっているかもしれないという。
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他人の苦痛を目にした時のいじめっ子の脳
赤くなっているのが、嬉しい反応
「つまり、いじめっ子は人の苦痛を見るのが好きだと考えられる。
この考えが正しい場合、彼らは弱い者いじめをして、他人を攻撃するたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進んでいることになる」
シカゴ大学の心理学者ベンジャミン・レイヒー
http://blog.goo.ne.jp/daikaisui81/e/69193668f95b3e1e7a95afb0ac69e1c1
デューク大学の研究報告によると、
子ども時代にいじめを受けていた人が長期的な後遺症に悩まされている一方、いじめた側は同年代と比較して健康的であることが分かった。
「他人をいじめることで自身は恩恵を受け、その代償を支払うことなく、さらには同年代の他の人たちに比べて精神的にも身体的にも健康である」
次に加害者家族に関する資料を読みました
名古屋アベック殺人事件
「私たち遺族はねえ、別にお金に執着してるわけじゃないんです。ただ本人たちに罪の償いをさせたい、罪の意識を持ち続けて欲しいだけ。時は経っても、罪は消えないんだから」
末松克憲
「罪の意識の問題は、何も犯罪を犯した少年たちだけに限った話ではありません。その家族についても、贖罪意識の全く見られないケースが実際に少なくないんです」
少年犯罪被害当事者の会代表・武るり子
佐世保小6女児同級生殺害事件
加害少女の父親
「事件が起きてから、報道の方がたくさん来られました。週刊誌やテレビ局の方から、フリージャーナリストと名乗る方まで…・・。電話も何度もありました。「お嬢さんに会いたいでしょう?きぬ川までの交通費、ご相談に乗りましょうか?」なんてお金で釣ろうとする人もいました」
「父親によると、事件後、家族の元にはマスコミはもちろん、たくさんの宗教関係者も訪れた。救済を餌にちらつかあせ、しつこく入信を勧めるのだという」
父親だけが少女の生家に留まった。「家族が自分のせいで離ればなれになってしまったとは、娘に思ってもらいたくないんです。反省はしてほしいんですけれど、自分の親にまで迷惑をかけたとは思わないでほしいんです。」
「謝るなら、いつでもおいで」川名壮志(集英社)
サレジオ学園首切り事件
同級生を殺害した被告少年Aは初等少年院を出所した後、弁護士になった。
被害者家族「なんで謝りに来ないんですか」
元少年A「なんでおれが謝るんだ」
「A君は悪いことをしたつもりがない、と言ってたけど、あれってどういう意味かしら」
Aは謝罪する気持ちなど、はなから持ち合わせていないのだろう。
Aが洋君を殺害したのはつづじが真っ赤に咲き乱れる畑の中だった。
「つつじが咲くころになるとあの事件を思い出す。つつじは見たくない」
加賀美家の母娘もいまだにつつじの花を直視できない。
そのつつじがAの事務所を縁取るように咲き誇っていたのである。
森安九段刺殺事件
息子に、どうして父親を刺したのか、訊いたことはあるのだろうか
「ありません。信じているのに、どうして訊く必要があるんですか。これからも一切触れる気はありません。事件に分からない点はあるけれど、私はあの子を信じています」
「私はいくら責められてもいい。でも、あの子にはこれ以上辛い思いをして欲しくないんです」
息子にどういう人生を送って欲しいのか
「自由に生きてもらいたい。普通の人と同じように、自由に、まったく自由な人間として生きてくれたら、他に何も望みません」
「殺人者はそこにいる」新潮45編集部(新潮文庫)
女子高生コンクリート詰め殺人事件
加害者カズキ(仮名)にインタビューしていた際に、照明器具が落下して、彼の頭を数センチかすめた。
「ああ、俺は許されてないんだ。彼女が怒っているんだ」
彼は両手で頭を抱え込み、つっぷしてしまった。
がっちりとした背中がかすかに震えていた。
「少年に奪われた人生」藤井誠二(朝日新聞社)
「私はこの手記全体が、遺族の方々、いろいろな彼を支えてきた人、あるいは自分の家族への長い手紙というか、支えてくれた人にはお礼の手紙であり、遺族の方々にはお詫びの手紙として書かれたものだなという気がしました」
出版した太田出版の編集担当のインタビュー記事より
コロンバイン高校銃乱射事件の加害者の母親の手記
「事件から1年後、亡くなった男子生徒の父親が連絡をくれた。私たちは2001年12月に彼を家に招いた。(中略)彼は帰り際に私たちに責任はないと思うと言ってくれた。これ以上にありがたい言葉は考えられない」
「殺された女子生徒の妹から届いたかわいらしい手紙には、子どもの行動は親の責任ではないと思っていると書かれていた」
「息子が殺人犯になった」スー・クレボルド(亜紀書房)
物語上も半年経っているので、その間にどんなことがあったのか、心情はどう変化しているのか、話し合いました。
キャラクター・インタビュー